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「豪快! 両国夢想」第6話「神なるもの」その37 [小説]

その炎を防ごうと上げたルーズベルトの腕が
一瞬にして炎に包まれていく。
「なっ! なにぃっ!? 
なぜ燃える!? 
ありえんっ! ワシの腕がこの程度の炎で焼けるなど…」
自身の焼け焦げる腕を見て呻く間にも、
人の肉のこげる匂いがあたりを満たし、
炎は上腕へと広がっていく。
腕をバタバタと自分自身に当てて
火を消そうとするが、
火が当たった部分から服に燃え移り、
ルーズベルトは全身炎に包まれていく。
「があああっ! 熱いっ!! 誰かこれを消してくれ…」
悲鳴をあげるルーズベルトの動きがいきなり止まったかと思うと、
その全身が凍りに包まれ、海中へと没していく。
「増上漫な若造が……。
仕方がない、
ここはわしが一人で作戦を完遂するか…」
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ルーズベルトが消えたあとに立っていたのは、
腰越で逸鬼と戦っていたはずのワシントンだった。

つづく
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「豪快! 両国夢想」第6話「神なるもの」その38 [小説]

逸鬼の姿を求めて
腰越付近もモニタしてみると、
ボロボロの制服で
砂浜でうつ伏せに倒れている逸鬼が映し出される。
「逸鬼さんっ!」
叫ぶ萌の一瞬の精神の乱れを逃さず、
肉薄してきたワシントンに気付いた華子が、
「萌っ!!」
と叫ぶのと、ヴィ----という、
蓮華王の警報が鳴るのは、ほぼ同時だった。
回避行動に入る萌だったが、
そのあいだにもワシントンが右手に持った士気杖で
蓮華王に強烈な一撃をくわえていた。
間一髪、宝戟(ほうげき)でそれを受けた蓮華王は、
残る7本の腕でワシントンに反撃を開始する。
羂索(けんさく)で絡め取り、
金剛杵(こんごうしょ)で一撃をくわえようとするが、
ことごとくかわされてしまった。
更に迫った如意宝珠(にょいほうじゅ)からの炎を冷気で凍らせたワシントンは、
その余波で蓮華王をも一瞬凍結させてしまう。
ジェネレータをフル回転させて
凍結から解き放たれた蓮華王の腕が
ワシントンに迫るが、
ガンっという衝撃音が走り、
まるでなにか見えない壁にあたったようにその場で動かなくなってしまった。
蓮華王の腕の下で両腕で支えていたのは、
ルーズベルトだった。
140118j1 のコピー.jpg
「先ほどは助かりましたよ、ご老体。
こんなガラクタはとっとと片付けて、
弾正府を制圧してしまいましょう」
全身ずぶ濡れのルーズベルトは、
蓮華王の腕を小脇に抱えるようにでねじると、
蓮華王が横滑りになって要塞にたたきつけられる。
要塞の砲塔がひしゃげ、
砲弾が誘爆したのか、
要塞内のあちこちから炎の吹き出すのを見たルーズベルトは、
髪をかき上げると満足そうにニヤリとわらった。

つづく
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「豪快! 両国夢想」第6話「神なるもの」その39 [小説]

「何てバカ力なんだ…」
呻くように悪態を吐いた華子に、
「華子さん、スタビライザーの補助御願いします…」
計器類を見ながら萌がサーポートを依頼する。
先ほどの衝撃で
額から血を流した萌だが、
朦朧(もうろう)とする意識の中で
蓮華王を立ち上がらせようとしていた。
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「萌っ! こっちは大丈夫、
あと5分なら全力でいけるよ」
「5分ですね」
「そう5分--。
--5分後に磁束圧縮ジェネレータの
磁界が崩壊する」
蓮華王の動力源である
磁束圧縮ジェネレータの爆発で
敵戦力を一気に全滅させようという
捨て身の作戦しか残された道はない--
そう思い詰めた二人は、
磁界を崩壊させるタイミングを謀っていたのだ。
「蓮華王、ごめんね、
もうこれしか方法がないのです--」
立ち上がった蓮華王に告げると、
蓮華王をルーズベルトとワシントン目がけて突進させる。
蓮華王8本の腕による、
全力攻撃を受けながら、
ふたりは傲然と微笑んでいた。
「ふん、こんなガラクタ、
ワシひとりでも事足りたんだがな…。
まあいい、おまえは部隊を率いて、
旧市内を制圧してこい」
「では、さっさと終わらせてしまおう」
ふたりの様子がまるで変わらないのに、
華子が愕然とする。
「くっ…ぜんぜん利いてないよ」
「でもせめてこの二人だけでも……」
二人の会話を邪魔するように
稲村ヶ崎の上空でドンッという音が響き、
成層圏から再突入した弾道飛行機
コスモポリス35が要塞へと急接近していた。

つづく
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