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「二楽亭へようこそ!」その85 第8話 「二楽亭へようこそ!」その20 [小説]

特異点周囲の木々が飲み込まれ始める。
『音音と私が仕掛けた魔方陣を発動できれば、
一度消滅させた回廊を再生させることが可能なのですが、
そのためには中に入らないと…』
ブラックホールに入ったら、例え生きていたとしても
この世界に戻ることは出来ないけど、考えてる暇なんてない。
そう思って動こうとした私の動きを封じた瑞葉が
『中には入れない。すぐさま結界をはるのです』
と言いながらブラックホールの周りに結界をはる。110604結繪魔法陣.jpg
『20XX年にCERNがラージハドロンコライダーで生成したブラックホールは
ホーキング博士の推論通り瞬時に消滅したことから、
あの小型ブラックホールもいずれ消滅します。
ただブラックホールにエサを与えたらそれだけ消滅が遅れるのです。
結界を張って物質から遮断して押さえ込むのです』
周りにあったものを飲み込んでしまったので、
消滅までにどれぐらいの時間がかかるか分からないけど、
消滅するまで結界を張り、物質から隔離し続けるしか方法はないらしい。
時間なんて関係ない。
音音や三狼たちのためにも命が続く限り結界を張り続ける。
これに失敗したら私たちの世界は…。
なのにどんどん力を消耗してる…このままじゃ私たちの方が先に…。
絶望にかられそうになる私の横に立ったのは
オーソドクス教会の三浦按針だった。
「--我々はこの地に我々の安住の地を築きたかっただけだ。
この世の消滅など願ってなどおらん」
そう言い結界を重ねる按針に同調するようにニコライも結界をはる。
ナドワや怪我の軽い十三部の司(つかさ)たちもその輪に加わった。
音音と三狼がよろめく私を両側から支えてくれる。
「みんな…」
私たちが力尽きるのが先か、ブラックホールが消滅するのが先かわからないけど、
やるしかないんだ。

数時間後、京の陰陽寮の陰陽博士たちが到着し、
更に全国各地から修験者たちも到着する。
おのおの持てる力を持って結界をはる。
数時間のウチに霊力を使い果たして倒れるものも多い。
丸2日結界を張り続けている私たちの霊力ももう限界に近い。
意識が朦朧(もうろう)とするなか、
日本に張られていた結界が消滅したのが感じられた。
その瞬間、フイに結界にかかる負荷が軽くなる。
『幽冥世(かくりよ)側から新たに結界をはったようですわ』
結界が収縮していくのが感じられた。
『もう大丈夫なのです♪』
遠くで葛葉ねえさまの声が聞こえた。
不眠不休で結界を張り続けた私たち4人は全員気を失った。

次回 最終回につづく
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