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二楽亭へようこそ!」その79 第8話 「二楽亭へようこそ!」その14 [小説]

俯(うつむ)くねえさまたちに、ユダから強烈な霊気が吹き付ける。
「九尾になれば、悪狐妲己と化して、この世に災厄をもたらすだろうしなぁ。
妲己(だっき)であったときなら恐れもしようが、
ふたつに分かれたおまえ達なと恐れるにたらん」
大きく広がりガードする尻尾の毛が切られ、
ふたりのカラダに切り刻まれた無数の傷跡から血がにじむ。
「ねえさまっっ!!」
ふたりのもとに駆けつけようとしても、
枝の戒めが腕にくい込み皮膚が破れるだけで、びくともしない。
バラの棘は血を吸い、その花はますます鮮やかな赤を咲き誇る。
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そのとき葛葉ねえさまの声が頭の中に響いてきた。
<声を出さないで結繪ちゃん。
あなたには辛いお願いをすることになってしまったのです…>
一瞬はっとしたけど、心話を悟られないように痛みに耐えているようなふりをして聞き返した。
(ねえさまっ! 私にできることがあるなら教えてっ!
それがどんなに辛いことでも私やり遂げてみせます)
<ありがとう、結繪ちゃん。
私と静葉が九尾となり、
鑑真、いえユダですね、あのあやかしを消滅させるのです。
ただ九尾だったときの私たちは伝説の悪狐妲己。
中国いにしえ王国殷(いん)を滅ぼし、日本の王朝にも災いをなしたのです。
ユダを倒しても妲己が幽冥世に入れば、
日ノ本どころか、全世界が暗黒時代を迎えることになるのです。
そうさせないために、妲己がユダを倒したら、
その心臓を子狐丸で刺し貫くのです>
(刺す--? 心臓を? そうしたらねえさまたちはどう……)
私が予想した嫌な答えとは違う答えを聞きたくて問いかける。
<--消滅するのです。
子狐丸にはそういう方陣が発動するように仕掛けが施してあるのです>
想像通りの答えは私から思考する力を奪ってしまう。
<私たちはもう十分生きたのです。
結繪ちゃんには辛いお願いなのですが、
それが私と契約したものの負う定めなのです。
今、その戒めを解きます。
きっとお願いするのですよ>
そういうとねえさまたちの発する光がつよくなって、
霊気が渦巻き始める。
その一部が私や音音たちの枷になっている枝を切断して、
三人ともどさりと地面に落ちた。

その15につづく
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