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「二楽亭へようこそ!」その76 第8話 「二楽亭へようこそ!」その11 [小説]

葛葉ねえさまに手を引かれて、
空から特異点の入口に近づくと
そこかしこに第2契約者たちで溢れかえっていた。
その中、音音と静葉ねえさまが、
三浦按針とニコライに押されて、
回廊の入り口から引き離されるようにじりじりと後退していた。
その特異点の入口に、カラダ全体が発光している男がゆっくりと近づいて行く。
葛葉ねえさまに目配せして、手を放して貰うと浮力がなくなり、
数メートル下の第2契約者たちの群れに突っ込む。
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「音音っ! しっかりしてっ!」
そう声を投げかけながら、周りにいる信徒達をなぎ倒していく。
葛葉ねえさまは、無事静葉ねえさまと合流できたかな?
とにかく早く音音と合流しなくちゃ。
信徒たちを切り伏せる中、
地上を疾走してきた三狼が追いついて、私の後ろにぴったりと寄り添う。
後ろを三狼に任せて、音音のいるほうへ近づいていく。
「いくらあがいても我らが主が幽冥世にわたれば現世は我らのものよ。
今のうちに我らの軍門にくだれ。悪いようにはせん」
私の前に立ちふさがったグラバーに切り付けながら、
「冗談言わないで! 降参なんて絶対ありえないっ!」
と叫ぶ私の横合いから、
疾風のように三狼がグラバーに襲い掛かり、その腕を切り落とした。
一瞬できた隙に音音のそばに駆けつけて、
ふたりで按針とニコライに対峙する。
「なんで戻ってきたんですの?」
「音音こそ、私だけ逃がそうとしたってそうはいかないんだよ」
「…ばかですわ…」
そのとき回廊のほうが明るく光り、
一瞬フラッシュバックで何も見えなくなった。
その光にまぎれるようにして按針が肉薄してくる。
かろうじてその剣を受け止めるものの、
圧倒的なパワーで押しまくられ、後ろのにある木の幹に叩きつけられる。
「ぐぅ…っ」
「結繪ちゃんっ!」
音音と三狼が私をかばうようにして按針の前に立ちふさがる。
ああ、そうだ--。
そう私たちはいつも3人で、
楽しいときも悲しいときも苦しいときも、いっしょだった。
だから誰かひとりでも欠けることなんか考えられない。

その12につづく
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