So-net無料ブログ作成
検索選択

「二楽亭へようこそ!」その75 第8話 「二楽亭へようこそ!」第一章 鎌倉攻防戦その10 [小説]

「音音殿、腕が鈍ったのでは?」
そう言いながら切っ先するどく按針が襲いかかってくる。
なのに、目を開いた鑑真の異様なまでの眼光が逆光のようになって、
襲ってくる按針が良く見えない。
このままじゃ、うまく回廊に入れない…。
内部に施した方陣で、回廊ごと崩壊させるという窮余(きゅうよ)の一策で、
司祭クラス全員とは言わないまでも、
鑑真と何人かの司祭は道連れにしたい。
静葉ねえさまとタイミングを計りたいのに、
ねえさまもニコライ2世の発する冷波に手を焼いていて上手くいかない。
「余所見はいけませんなぁ」
そう言いながら襲いかかってくる按針の連続した打ち込みをなんとか受けるものの、
その剣圧でさらに回廊から引き離されそうになる。
このままじゃ、鑑真に幽冥世に渡られちゃう。
向こうに行かれたら、
向こうにいるあやかし達は駆逐され、
その妖力を奪い、自分の妖力を増幅させてしまうはず。
そうなったら、もう現世で鑑真に叶う者はいなくなってしまう…。
鑑真がゆっくりと回廊に向かって進むをの按針の剣を防ぎなら見送る。
私と静葉ねえさまが回廊内に入らないと、
回廊を崩壊させられないのに…。
「音音っ! しっかしてっ!」
絶望に押しつぶされそうになる私の耳に、
私の大好きな女の子の声が聞こえてきた。
世界が滅んでも、結繪ちゃんさえ生き残ってくれれば、
それで良かったのに…ここにいたら、結繪ちゃんも危ないのに…。
でも、また結繪ちゃんに会えたことが嬉しい。
くやしさと嬉しさのない交ぜになった感情が錯綜する。
なんとかして回廊内に行かなくっちゃいけない。
じゃないと世界が終わってしまう…。
110325nenej2.jpg
ううん、本当は世界なんてどうでもいい、
私の大好きな結繪ちゃんさえ無事でいてくれたらそれでいいの。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0