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「二楽亭へようこそ!」その68 第8話 「二楽亭へようこそ!」第一章 鎌倉攻防戦 その2 [小説]

「では、私も残るのです~」
(葛葉ねえさま…)
「ボクも残る…」
言いながら狼部司の証・六尺漸馬刀を二狼にいさまに手渡す三狼。
(…ふたりとも…)
しばらくの沈黙のあと音音が口を開いた。
「--わかりましたわ。
危険ですけど、言い出したら聞きませんものね…。
計画の一部を変更します。
結繪ちゃんたちは、市民を保護しつつ南下、
裏駅より、下馬四つ角方面に進出後、
部隊の一部を護衛として市民を稲村ヶ崎へ護送。
残りの部隊は敵の背後に回ってください。
その間わたくしたちは、
幽冥世の戦力を糾合(きゅうごう)して鑑真に当たります。
向こうのあやかしたちは、ねえさまたちより強いですから、
結繪ちゃんたちが来る前に、連中を倒してすぐに戻って参りますわ。
先ほど携帯に送った予想侵攻ルートは見ておいてくださいませ」
「音音--」
「時間がありませんわ。
結繪ちゃんたち現世に残るメンバーは
急いで移動を開始ですわ。
十三部衆の司(つかさ)と佐(すけ)は私といっしょに
太平山の特異点へ向かいます」
「音音、気をつけて」
「結繪ちゃんもご武運を--」
ぎゅっと音音とハグする。
万が一これが音音との最後の…そんな縁起でもないことが
頭をよぎりるけどすぐ否定する。
腕を解いて葛葉ねえさまと三狼に声かけると踵を返す。
音音、みんな…無事に戻ってきてね--
そんな思いを胸に校舎を出る。
Qちゃんから説明を受けて待っていた
十三部衆旗下の軍団に合流して八幡様をめざす。
音音からもらったデータでは、
敵は大町方面から日朝(にっちょう)さんの前を通って
この弾正台を目指しているはず。
市民を保護したら兵の一部を護衛にして
稲村が崎高校内にある検非違使のシェルターに送ればいいんだよね。.
Qちゃんに部隊の後事を託して、
大原国綱の刀の付喪神・鬼裂(きさき)と殺鬼(さつき)、
狼部と蜂部の100名ほどを率いて小町通りに入る。
誰もいない街に鎌倉防災無線のスピーカーから
『こちらは弾正府です。
旧市内は大変危険です。至急切り通しより避難してください』
と大船、藤沢方面へ避難するようにアナウンスしているのが寂しい。
逃げ遅れた人たちがいないか声を掛けながら
鎌倉駅横のアンダーパスを抜けていく。
こんな状況なのになんとなく楽しそうなのが鬼裂だった。
「結繪~、鬼は切ってはならんのか?」
「ダメですっ!! 今は鬼とはいえ
もともと普通の市民なんですから」
鬼と聞いて”鬼切刀”としての本能がうずくのか、
鬼裂が聞いてくるのにダメを出す。
妹の殺鬼もそわそわしてるのに、
「殺鬼もぜったい切っちゃダメだよ!」
と釘を刺すと、本来姉と違って大人しい性格だけに
しゅんとしてしまってかわいそうだけど仕方ない。
逃げ遅れた市民数十人を伴いながら、
裏駅から長谷方面へ抜ける道へ出たところで
頭上で鴉がガァガァと嫌な声を上げた。
110129結繪.jpg
それが合図のように、鬼たちがわらわらと現れ、
狼部前衛に襲いかかる。
待ち伏せ!? --でも今は市民の救助を優先しないと…。

その3につづく
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