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「二楽亭へようこそ!」その62 第7話 「決戦前夜」第一章 飛鳥中納言 その6 [小説]

弾正府を甘くみていたというか、
大人しそうな顔をした葛葉様、
静葉様を筆頭につぎつぎと繰り出される宴会芸の数々。
特に面白かったのが、結繪たち女性首脳陣による、
コスプレ魔法少女アニソンメドレー。
葛葉さまたちの妖力で、
アニメに合わせてコスチュームを変えるという懲りようがなかなか良い。
どうやら弾正府では恒例らしいが、
注目を集めて水を得た魚のような化野殿と違い、
ムリヤリコスプレさせられて照れた感じの結繪が
またたまらなくカワイイ…。
しかしそんな宴会も2時間も続くと、その熱気に当てられてきて…。
ちょっと涼もうと、宴会場から障子1枚隔てた廊下の窓際に、
座布団を持ち出した。
「びっくりした?」
私が出ていくのを気にしたのか、
結繪が同じように座布団を敷いて隣に座った。
日曜の朝に放送しているというアニメ・プリティキュアーズの
かわいいコスチュームに身を包み、長い髪をリボンでまとめた、
ごく普通のかわいい女の子。
「弾正府はいつもこんなに賑やかなのか?」
「うん。ねえさまたちが宴会と油揚げとお酒に目がないから」
そう屈託な笑う私と同じ歳の少女が、
第二契約者(=彼ら自身は改革者という意味の『イノベーター』と自称しているが)の一会派で
異端とよばれるオーソドクス教会との戦いを一身に引き受けている。
――私も出来るだけのことをしよう。
そう思ったとき、
「ふたりきりでコイバナですか~?」
と後ろから静葉さまに抱きつかれた。
胸をわしづかみされて、
「おお、なかなかの…。これなら…」
そう言と、持っていた扇で私を扇ぐと、
足がスクリューの付いた機械に包まれ
服もセーラー服になっていく。
バス.jpg
「おおお、シーストライカーだ」
と会場からどよめきがあがる。
私の知らないアニメのコスプレらしい。
「水着だから恥ずかしくないですわ」
葛葉さまにそう言われ良く観れば、
下半身はズボンもスカートも履いていない。
うあ? これは水着なのか?
じゃあ、確かに恥ずかしく……いや、上
を着てる分なんだか妙に恥ずかしいぞっ!
「後ろに魚雷発射管がある。VII型Uボートユニットだ」
「おおっ~~!!!」
結繪たちも同じような格好に変身すると
マニアックな会話にどよめく会場に音楽が流れ始める。
聞いたことのない曲なのに、
静葉さまが頭の中に心話でメロディラインを教えてくれるので私でも歌える。
そいえば、私、こういう風にみんなで歌うことってなかったな。
なんだかすっごく楽しい!
と思っていたら、なんだかお尻の辺りがモゾモゾする?
――え? これって…。
そのとき、結繪の目がきらりと光ったかと思うと
私の目の前に向かって手刀を振りおいろした。
ガインっ! という嫌な音と共に、
私の前にしゃがみこんでいる誰かが現れる。
一瞬目が合うが、苦み走った20代後半の良い男だった。
「このエロ狢(むじな)っ! 薫子のお尻から手を放しなさい!」
言われてハッと気がつくが、その男の手は、
私のお尻をモゾモゾとはい回っていたのだ!
「また勝手に天狗の隠れ蓑(みの)使って! 
今度という今度は許しませんっ!」
「狢汁にするのですわ」
静葉さまと化野殿が会場の端に追いつめると、
弾正府の女子達がよってたかって打擲(ちょうちゃく)におよんだ。
「ごめんね、嫌な思いさせちゃって…」
「…あ、いや…大丈夫…。今日はなかなか出来ぬ経験をさせて貰って、
本当に楽しかった」
「ホント?」
心配そうに聞いてくる結繪に、
「本当じゃ。また呼んでほしいぐらいじゃ」
と本心から答える。
「これからは、力を合わせて日ノ本を護ろうではないか」
「うん!」
狢が吊されていく横で、最高の笑顔で結繪が答えた。

第2章 その1につづく
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