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「二楽亭へようこそ」 その47 第6話「-暗闘-青木ヶ原樹海」第3章 その3 [小説]

「も~、しかたないですわ。
今日はわたくしが直々にお相手して差し上げます」
そう言うと、見慣れない刀を2本取り出した音音。
ne ne.JPG
「これは<杏葉螺鈿太刀(いちょうらでんたち)>
と言って、鶴岡八幡宮に収められてる国宝の…」
「えっ!? ちょっ…まっ…国宝っ!?
またそんなもの借りてきて、
万が一折ったりしたら、鎌倉府長に怒られるのは…
まあ生徒会長のQちゃん先輩だからいいか…」
音音の口から国宝という言葉が出て思わず口を夾(はさ)んだ私。
「いえ、国宝ではなく、
その隣にある無名の古刀ですし、
万が一折れても黙って借りて来ておりますし、
万全を期すと言う意味でレプリカも置いてありますので…。
お疲れのねえさまたちにも
キチンとお休みいただきたいですし…」
「そ、そうだよね…」
音音が単に富士山に登りたいだけかと思った私が間違ってたよ。
と心の中で謝った。
なのに音音は、
「今日の登山は誰にも邪魔させませんわ!
それに鎌倉時代より前の古刀って、
すっごく良いっていうので、
一度使ってみたかったのですわ~♪」 
そう言いながら、
螺鈿太刀の1本を私に渡してくる。
(なんだ、やっぱりそういうことか……。
私の謝罪を返せっ)
と刀を受け取りながら、
心の中でブツブツ言ってみるものの、
刀に触れた途端、
なんだか安心感というか、不思議な力が伝わってくるのを感じた。
やっぱり、神域に長いこと置いてある古刀には
霊力が宿るのかな…?
「ねえさまたちを休ませたいもんね」
と刀を抜いてみる。
「ねえさまたちの刀と違って随分反ってる…」
「古刀の特徴ですわ。
それに衛府太刀拵(えふのたちこしらえ)なので、
柄も鮫の皮ですし、鍔も丸くない唐鍔なのです。
私は優美で好きですわ」
愛刀・子狐丸とは重心も違うので、
少し戸惑うものの、使い勝手はよさそう。

第3章 その4につづく
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