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「二楽亭へようこそ」その43 第5話「ビーチバレーボール大会」後編  [小説]

登場人物紹介↓
http://niraku.blog.so-net.ne.jp/2010-02-28

「よくわかんないけど、わかったよ音音!
じゃあ全力でいくよ!」
どうやら私の熱意が通じたようですわ。
結繪ちゃんはボールを高々とトスして
サーブの体勢に。
結繪ちゃんの手がボールに当たると、
ドゴ-----ンッ!!!!!
という音が辺りに響き渡って…。
と思ったらボールがあり得ない軌道を描いて
二荒(ふたら)に襲いかかりましたの。
正確には二荒の少し後ろに落ち、
ボールはパンクして、砂の上には大きなすり鉢状の穴が開いていますの。
もしかして今の音、音速を超えたときに出るという
そ、そにっくぶーむ??
ペアを組んでいる大黒でさえ何が起こったのか
分からないといった顔をしている。
かでの.jpg
「ちぇー、アウトか…今度は外さないよ」
そう言った結繪ちゃんは、
立ちつくすボールボーイからボールを奪うと再びトス。
よくよく考えれば結繪ちゃんって、
小学生の時に、怪力で名高いカッパとのガチ勝負で、
見事に勝利しているほどの馬鹿力なのでした。
(これはとても人間には受けきれないですわ)
と、可及的すみやかに戦略的撤退を決断した私が、
二荒に告げようと振り向くと、
二荒はすでにコートから姿を消していましたの。
ドゴォォォ-----ンッ!!!!!
今度はさっきよりも凄い音がして、
もうもうと砂が空中に舞い上がる。
すんでのところで被害を免れた私が、ほっと安堵の胸をなで降ろしていると
結繪ちゃんが近づいてきて、
「ねえ音音、このカメラみたいな大量の機械の残骸は何?」
と怖い表情で聞いてきましたの。
見回すと、コート周辺に埋設しておいたカメラ群が
全部地上に露出してしまっているではないですか!?
「こ、これはこの大会の完全版ブルーレイコレクションを作るために
私が設置させたビデオカメラですわ」
「ふーん、地中に埋めてあるなんて、
随分ローアングルなコレクションだね」
(まずいですわ、完全にばれてますの)
「あ! 腰越に巨大な九郎判官が!」
と結繪ちゃんの後ろ指差すと、
「え!? どこ??」
素直に振り返ってくれた。
一瞬の隙をついて逃げ出した私に向けて、
だまされたことに気付いた結繪ちゃんが本気サーブを連射してきますのっ!
足下でバレーボールが爆発すると同時に
上空に舞い上げられた私の脳裏を
今までの人生が早送りで流れた。
(ああ、これが走馬燈なのですね…)
私の意識はそこで途切れて…。

目覚めた私を待っていたのは、
自宅の強制捜査により、私が今まで撮りためた結繪ちゃんビデオの没収と、
10日間の二楽亭のトイレ掃除でしたの。
トイレ掃除をしながら、
(化野家のネットワークを舐めて貰っては困りますわ。
撮った瞬間世界各地のサーバに転送して
しっかりバックアップ取らせていただいてますからー)
とほくそ笑んでいた私。
次の日曜日、
二楽亭にある部屋は結繪ちゃんと同室のため、
ここでは映像確認できないので、
私の息のかかったネットカフェ「あだしの」に密かに出ける。
VIPブースで例のデータのバックアップ先にアクセスして、
この前とったビーチバレー大会のデータをいそいそと再生。
ちゃんと撮れてた映像に、
(はぁ~~結繪ちゃんの水着姿、とってもキュートですわ~)
と見惚れていると、
液晶モニタの中の結繪ちゃんが
何故かカメラ目線で、
『性懲りもなく、データかくしてたみたいだね』
と私に語り掛けてきたんですのっ!?
「なっ!? 化野家のセキュリティは完璧な……」
『音音ねえさん?  すいやせん、
あっしは結繪ねえさんの僕でやすから、
セキュリティの一切合切全部げろっちまってますんで…。
悪しからず…』
と化野警備保障の河童社員で結繪ちゃんに忠誠を誓うキザクラが、
結繪ちゃんの横で苦笑いしてますの。
そいえばウチのネットセキュリティは
キザクラたち河童どもに任せてあるのでしたわ…。
がっかりする私に追い打ちをかけるように、
結繪ちゃんが宣言しましたの。
「なお、このデータは5秒後に消滅する」
「--って結繪ちゃん、
その古いテレビドラマのネタどこから…。
結繪ちゃん一体何歳なのですか---っ!?」
私の悲鳴をかき消すように、私のいるVIPブースが爆発した。

「こんなことで私の結繪ちゃんに対する思いは消えないのですわ~!!」
崩壊したボックスの瓦礫の中で、
私が決意を新たにしたのは言うまでもないですの!!

第5話おわり

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