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「二楽亭へようこそ」その37  第4話「付喪神といっしょに」 その1 [小説]

「これ、うち(検非違使庁)じゃ扱えないモノだから、
西御門(にしみかど)へ持ってちゃって」
私・桂木萌の通う神奈川県立稲村ヶ崎高校の生徒会長こと
検非違使別当の飛鳥薫子さんは、
そう言いながら紙の手提げ袋を渡してきた。
(西御門っていったら神霊関係を扱う弾正府ですよね…)
そう思いながら、
中を開けてみると箱が入っていて、
案の定、漫画で見るような御札が貼ってある。
「うわっ……ってことは、これってやっぱり曰く付きの
何かなんですよね??」
「まあ、その悪霊封じの霊符・鎮押なんとか符が
貼ってあるからなんの問題もないのだよ」
「鎮押凶房怪符(ちんおうきょうぼうかいふ)とでも読むのでしょうか?」
000123.JPG
「た、たぶんそうであろ。
別に怖いというわけではないんだが
手元に置いておくのもなんだしな」
薫子さんがそう言った途端、
ピシッ! という空気が震えるような音が部屋に響いた。
「!?」
その音にビクンと反応した薫子さんは、
「そ、そう言ったモノは西御門の専門だからのう。
ま、向こうにはよしなに言うておくれ」
と言うと、生徒会長室から脱兎のように出て行ってしまった
あ、さっきの音ってもしかしてラップ音なのかな……。

「あ~ん、やだなぁ…」
仕方なく鎌倉府立西御門(にしみかど)学園にある
弾正府へ向かう私。
江ノ電を鎌倉駅で降り、
そこから鶴ヶ岡八幡宮の参道段葛(だんかずら)を通り
八幡宮の源氏池の横を抜けて歩くこと25分。
西御門学園に着いたときにはもう辺りは薄暗くなり始めていた。
ここって山のすぐ手前にあるから、
もともと少し暗くてジメジメしてるんだよね…。
今みたいに夕方にくると、山の陰が迫ってくるような感じがしてちょっと怖い。
更に私が持っている荷物には、
悪霊封じの霊符・鎮押凶房怪符が
べたべた貼ってあるっていうシロモノだし…。
早く用を済まして帰ろうと、
正門から入って学園のずっと奥にある
4階建ての武道棟連合の建物を目指す。
その4階にある
弾正府本営と大きく縦書きされた看板のある扉の前で、
「ごめんください~…」
と声をかけたものの返事がない。
誰か生徒さんに聞こうにも、
こんな日に限って誰にも会わないし…。
人気のない学校の中にいるのって、
なんか出てきそうでやだなぁ……もうだいぶ黄昏れてきたし…。
この時間って、人が魔物やあやかしに会いやすい時間、
逢魔が時って言うんだよね…と思った瞬間
肩にぽんっと手を置かれた私。
「●×▽××--!!!」
あまりの怖さにびっくりした私は、包みを放り出して
その場にへたり込んでしまう。
「あ、ごめんごめん、脅かすつもりは少ししか無かった
んだけど、そんなにびっくりした?」
そう言って覗き込んできたのは、
私と同じ歳ぐらいの男の子だった。

その2につづく
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moe

はっこうさん おはようございます。
nice! ありがとうございます。
by moe (2010-06-10 07:07) 

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