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「二楽亭へようこそ」その34 「瑞葉が来た日」その4 [小説]

その4
鶴八の前を通り、扇ガ谷に向かう途中、
「600年ぐらい前に、あのあたりの家で、
匿(かくま)われてたことがあるって、
以前静葉ねえさまが言ってましたわ」
と音音(ねね)。
静葉ねえさまは、音音の愛刀・狐ケ崎に宿る四尾狐。
私の愛刀・子狐丸に宿る五尾狐の葛葉ねえさまの妹なの。
「え? そうなの?」
「はい。那須野で玄翁和尚に殺生石を砕かれた後、
飛び散った石が、葛葉ねえさまたちになったじゃないですか。
静葉ねえさまは、落ちた扇ゲ谷のそばで野犬の群れに襲われ、
そのとき、近所に隠棲していた阿部清明様に助けられたそうですわ」
そんな話をするうちに目的のアンダーパスに到着♪
さっさと噂の素を探して、化粧坂にいる
二狼にいさまとの合同捜査にむかわなくちゃ[黒ハート]
そんな邪(よこしま)なことを考えてたら、
<ガサガサ…>
という音がした。
1253.jpg
振り向くと、
音音がカーブミラーの辺りの草むらを物色してる。
「どうしたの?」
「ここに何だか懐かしい気配を感じますわ」
<カチカチカチッ>
その言葉と同時に、私の小狐丸と音音の狐が崎が鍔(つば)鳴りする。
あ、葛葉ねえさまと静葉ねえさまが、刀から出たがってる…。
私は音音と目を合わせると、小狐丸を抜き、天空に向けると、
「かけまくもかしこき稲荷大神の大前に、かしこみかしこみももうさく…」
と稲荷祝詞を上げ始める。
音音は、狐ガ崎を地面に向け、
「本体真如住空理……」
と稲荷心経をとなえる。
すると中空から、狐耳に狐のしっぽのあるふたりの巫女様が現れた。
「葛葉ねえさま、近くに居ますね」
「静葉ちゃん、間違いないです~」
現れた途端二人は辺りに気を配る。
何が何だかさっぱりな私が、
「ねえ、ふたりともどうしたの?」
そう聞いた途端、
<ザザザザザッ>
と草むらで小さな影が動いてアンダーパスの方へ逃げ出す。
「あ、あそこですわっ」
そう言うと二人ともその影を追って行ってしまった。

その5につづく
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moe

musemistyさん こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by moe (2010-05-18 21:09) 

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