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「二楽亭へようこそ」その25 [小説]

第七章 その1

三峯家の墓に花を供える。
私の傍には、
葛葉ねえさまと静葉ねえさま、音音のほか、
二狼にいさまから引き継いだ
狼部司の証・六尺斬馬刀を持った三狼がいた。
「二狼さんの敵はきっと討ちますからね…。
どうか安らかに…」
「葛葉ねえさまっ! 
縁起の悪いこと言わないでください! 
二狼にいさまは、入院してるだけなんですから!」
「そうですわ、あのとき、
静葉ねえさまの指示で、
真っ先にヒュースケンの血液サンプル取っりましたから、
ワクチンも一応完成しましたし…」
一応というのは、
私や音音、十三部衆の様に霊的に加護がある人には使えるんだけど、
普通の人には強すぎて使えないらしい。
「二狼さんも、きっとすぐに元気になりますわ」
000012.JPG
二狼にいさまは、
最初のワクチンの被献体を申し出て、
まだ傷は治りきらないものの、
ディアボロの驚異からは殆ど解放されていた。
今回の件では、
幸い誰も死ななかったものの、
怪我人続出で立て直し中の狼部は、
三狼が司代理になっている。
三狼はあくまで代理だと言い続けてるけど、
二狼にいさまのところへ
お見舞いに行ったとき、
<自身の体内のディアボロを殲滅したことでも分かるように
霊的ポテンシャルは三狼の方が上です。
ヒュースケンの件では、誰かが責任を取らないといけないですしね。
今後は三狼の補佐に回るつもりです>
と言ってた。

今日はお彼岸なので、
ここ十二所(じゅうにそ)にある弾正府の霊園に
ちょっと早いお花見もかねて、
みんなでお墓参りに来たというわけ。
半月前の敵の襲来のあとも、
ディアボロに感染した人たち=鬼たちによる事件は
相変わらず散発してるけど、
極東オーソドクス教会の連中自体の動きはぱったりと途絶えている。
彼らは確かに強力なんだけど、
八百万と言われるほど多いこの日本のあやかしたちのはる結界の中では、
有る程度の時間しか活動ができないし、
人数も圧倒的に少ない。
まるで地震のように、1回大きな活動をすると、
しばらくは身動きができないということらしい。
しかも、この前のような大規模な戦闘になると、
力を連続して行使するために、
彼らの”主”が残したかなり強力なパワーアイテムを
使用しているはずだった。
彼らに使用できるアイテムも限られていて、
日本のものでは力を引き出せない。
今回使われたのは、
成田から持ち込まれた聖遺物のひとつ、
ゴルゴダの丘で救世主を杭に打ち付けた
<聖釘(せいてい)>だったことが、
残された痕跡から分かっていた。

第7章 その2につづく
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