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「二楽亭へようこそ」その15 [小説]

第4章 その4

「HAHAHA!! 
ミーも先日蘇ったばかりですが、
携帯が便利なグッズだということは知ってマース」
「………」
幕末の人だっていうから
時代遅れなヤツかと思ったけど、
そいえばコイツは遺伝子操作したウィルスをばらまいてるんだったけ…。
「主から頂いた、この聖なる機械(マキナ)で
西御門結界の中にもうひとつ結界をはり、
電波は遮断させていただいてマース!」
そう言ってアンテナが3本も出ている
トランシーバーみたいな携帯ジャマーを見せるヒュースケン。
「あれはたぶん、電波法に抵触しますわ」
冷静につっこむ音音に、
「主は超法規的存在なのでノープローブレムでーす。
税金もかかりまセん」
とヒュースケンがマジレスをつける。
それを聞いて音音が、
「うらやましいですわ…」
と心底うらやましそうに言った。
(そいえば、音音の家はやたらでかいから、
固定ナントカ税が大変とか言ってたな…)
そんなことを考えつつ、
迫ってくる鬼たちの攻撃を右へ左へとかわしながら、
じりじりと後退していく。
「援軍来ないみたいだね」
「では、仕方ないですわね」
音音とアイコンタクトすると、私は愛刀<小狐丸>を天に掲げて、
音音も愛刀<狐ヶ崎>を地に向けてそれぞれの守り神の名を呼ぶ。
「天狐・葛葉ねえさま!」
「地狐・静葉ねえさま…」
すると、ふたつの光り輝く珠が中空に現れ、
絢爛(けんらん)な巫女服を着た、
狐の耳としっぽを持ったふたりの女性が現れた。
「静葉ちゃん、久しぶりのお呼びと思えば、
周りは鬼だらけなのです」
葛葉静は.jpg
「ちょっと多いですね…。
今夜は大山阿夫利神社門前のお豆腐屋さんから、
あぶらあげでもお取り寄せいただいて、
ごちそうしていただけるのでしょうか?」
静葉ねえさまにそう聞かれて、
「たぶん問題ないと思いますわ。
生徒会長に奢(おご)らせますので、
どうかお力をお貸しくださいませ」
と、音音はきっぱり言い切った。
「了解なのです! 静葉ちゃん…」
葛葉ねえさまがそう言うと、
静葉ねえさまが尾の毛を数本抜いて、ふっと吹く。
すると、光の矢がヒュースケンと鬼たちのアゴ2カ所と
手の親指の付け根に突き刺さる。
「静葉ちゃんの経絡針麻酔は良く効くのですよ」
葛葉ねえさまが、涼しい顔で解説してくれる。
ヒュースケンは小刻みに震えてはいるけど、
何とか立ちつづけてる。
でも、鬼達はがっくりと膝を落とし、その場に倒れ込んだ。
私はヒュースケンにつかつかと近づくと、
持っていた携帯ジャマーを小狐丸の石突きでつついて落とすと、
ジャマーの上に踵(かかと)を落としてたたき壊す。
それを何も出来ずに見ていたヒュースケンが、
「My GOD――!!!! 
主から頂いた聖なるマキナになんてことを!! 
この罰当たりめっっ!!」
そう叫んでブチ切れた。
あー、ちょっと挑発しすぎちゃったかな?
ビキビキと音を立ててヒュースケンの筋肉が盛り上がり始める。
自由を奪ってた静葉ねえさまの尾の毛が抜け、
ヒュースケンが完全に自由を取り戻しちゃった…。

第4章 その5につづく
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